都心におけるコーポラティブハウスの立地は、一見すると思わしくないかもしれません。なぜなら、その理由は実は市場経済の法則とデベロッパーのリスク回避に由来します。例えば、豪華なレストランが世界中の名立たる都市に位置しているのと同様に、理想的な立地は、一般的な分譲住宅を建設するためにふさわしい場所となります。なぜなら、その土地そのものが自然と付加価値を生み出し、それによりデベロッパーはリスクを減らすことができるからです。
逆に、コーポラティブハウスは、その本質上の付加価値により、一般的には適さない土地に計画されることがあります。それは言い換えると、市場の端の果物屋さんが新鮮ながらも売れ残った果物を使って美味しいジュースを作るようなものです。果物が新鮮でないわけではありませんが、見た目やサイズなど、一部の要素が顧客の目を引くことができなかったのです。
ここでいう「良い立地でない」とは、駅からの距離が遠い、敷地の形状がいびつである、地盤に問題があるなど、通常の分譲住宅としては採用されづらい要素を含んでいます。これらの条件下でも、コーポラティブハウスはそのコミュニティ性と共同所有の形態を活かし、住みやすさを提供することが可能となるのです。
コーポラティブハウスを検討するときに重要なこと
建物やコミュニティ性を評価することは重要ですが、それと同様にその立地についても念入りに考慮することが求められます。どんなに魅力的な建物や共生のコミュニティーがあったとしても、それが置かれている場所が適していなければ、全体の価値は大きく損なわれてしまいます。
美しい外観や先進的な設備、活気に満ちたコミュニティーに目を奪われがちですが、コーポラティブハウスもまた、まず何よりも住宅であるという事実を見過ごすべきではありません。これはまるで、一流のレストランに足を運んだ際、その内装やサービスに心を奪われつつも、料理の味や品質を確認することが重要なのと同様です。
コーポラティブハウスを選ぶ際には、その立地が安全で、生活を営むうえで何ら問題がないかを確認することが大切です。駅からの距離、敷地の形状、地盤の状態といった要素が安心・安全な生活を支えているからこそ、コーポラティブハウスは成り立つのです。これらの点を見落としてしまった場合、後になって大きな後悔をすることになるかもしれません。だからこそ、見た目の魅力にとらわれるだけでなく、建物の存在する環境や立地条件を冷静に評価することが、コーポラティブハウス選びにおける重要なポイントとなるのです。